和歌山市の文化財・遺跡

紀州徳川家所用獅子鈕子母印

詳細情報

読み仮名 きしゅうとくがわけしょようししちゅうしぼいん
指定 市指定文化財 美術工芸品
指定日 2018年5月11日
時代 江戸時代
地区 吹上・高松地区
所在地/所有者等 和歌山市

 紀州徳川家所用獅子鈕子母印は紀州徳川家の旧蔵資料で、昭和50年(1975)に和歌山市に寄贈されました。
 親獅子、子獅子、六面体の3つの印からなり、親獅子印には子獅子印を収納でき、子獅子印の基底部には六面体の入る空隙(すきま)があり、すべてが親獅子印のなかに収納できる構造となっています。材質はいずれも真鍮で、表面に金メッキを施しています。
 親獅子印には、「南海之鎮(なんかいのしずめ)」、 子獅子印には「寿山清玩(じゅざんせいがん)」、六面体には、「政余(せいよ)」、「敬臼所」、「賜紫金魚袋(ししきんぎょたい)」、「明義館(めいぎかん)」、「銀青光禄大夫(ぎんせいこうろくだゆう)」、「楽只(がっきょう)」の印面が施されています。
 紀州徳川家の当主は、それぞれ様々な素材で多数の印を製作しており、そのなかでも本作品は親獅子、子獅子、六面体が入れ子状になっているだけでなく、材質の特性をよく生かした造形的にも非常に優れた印であったため、今日まで大切に伝えられてきたものと考えられます。また、親獅子印の「南海之鎮」は、西国支配の要としての紀州藩の立場を表現した文言といえ、類似の表現も含めて、紀州藩で代々意識されたものと考えられます。なお、親獅子の印面と十一代藩主斉順(なりゆき)の一行書「忠信」(和歌山市立博物館蔵)の「南海之鎮」の落款(らっかん)印とが合致することが確認されています。