和歌山市の文化財・遺跡

光恩寺庫裡

詳細情報

光恩寺の庫裏 外観
  • 光恩寺 杉戸絵(ガ鳥)
読み仮名 こうおんじくり
指定 市指定文化財 建造物
指定日 昭和46年(1971)1月9日
時代 安土桃山時代
地区 西和佐・和佐・小倉・四箇郷地区
所在地/所有者等 大垣内/光恩寺

 光恩寺は戦国時代の天正19年(1591)に創建された寺院で、明治8年(1875)に火災で庫裏・本堂・書院が全焼しました。明治13年(1880)に和歌山城が取り壊されつつあったため、本丸御台所の払い下げを受け庫裡とし、本丸建物を移し本堂としました。しかし、本堂は明治14年(1881)に暴風雨により倒壊し、現在庫裏のみが残っています。
 建物の大きさに比べて小さい入り口や防御に適したうち開きの扉、太い部材を使用する柱や垂木などは城郭建築の特徴を示し、屋根の軒瓦には徳川家の家紋である三葉葵紋が使用されています。庫裏内の杉製の引戸は、表面には竹林と二頭の虎が、裏面には水辺に遊ぶガチョウ(鵞鳥)が描かれており、当時の装飾の様子もうかがうことができます。和歌山城内の建物は取り壊しや戦災によってほとんど失われており、残されているのは城内の岡口門(国指定重要文化財)とこの光恩寺の庫裏のみであり、当時の様相を知る上で貴重な建物です。

〔写真〕庫裡外観、杉戸絵(ガチョウ)

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