和歌山市の文化財・遺跡

川辺王子跡

詳細情報

川辺王子跡
    読み仮名 かわなべおうじあと
    指定 県指定文化財 史跡・名勝
    指定日 昭和33年(1958)4月1日
    時代 平安時代, 鎌倉時代
    地区 有功・直川・川永・山口・紀伊地区
    所在地/所有者等 川辺/力侍神社

    〔種別〕史跡

     川辺王子は熊野三山における御子神信仰の王子を勧請した熊野九十九王子の一つです。この熊野詣の沿道に設けられた王子社は、御師・先達制度とともに熊野信仰の特色のひとつとなっています。古代の熊野詣の道には紀路、伊勢路、大峯路がありましたが、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて行われた法皇や上皇による熊野御幸ではいずれも紀路が用いられており、御幸道として整備されたことによりこれらの王子社も発達したと考えられます。王子社は通例約2kmごとに設けられ、遥拝所兼休憩所として御経供養や御歌会なども催されました。川辺王子は雄ノ山越えにより和歌山県に入って中山王子、山口王子に続く3つ目の王子社にあたります。なお、『紀伊続風土記』には現在の力侍神社が川辺王子であろうと記載されていることから、史跡としては力侍神社境内を指定していますが、他の文献から和歌山市上野にある小祠の八王子を川辺王子跡とする説もあります。

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