和歌山市の文化財・遺跡

山口御殿跡

詳細情報

山口御殿跡 土塀の基礎(2条の石列)
  • 山口御殿跡 鬼瓦
  • 山口御殿跡 石橋
読み仮名 やまぐちごてんあと
種類 城館跡
時代 江戸時代
地区 有功・直川・川永・山口・紀伊地区
所在地

 和歌山市の北東部、市立山口小学校・幼稚園敷地内に位置します。中世末期頃に当地域の有力者であった易井喜内氏の旧宅跡に、紀州入りした徳川氏が山口御殿と呼ばれる別邸を建築したとされます。
 江戸時代後期に記された『紀伊国名所図会』などによると、遠侍(武士の詰め所)や書院などの建物のほか、御供部屋・御台所などがあり、周囲には堀が築かれ、江戸時代の参勤交代の際に、歴代藩主や幕府の使者の休憩所として利用されたとみられます。学校敷地内の発掘調査では、山口御殿に関係するとみられる堀の一部や井戸、礎石、埋桶、土塀などが見つかっています。
 山口御殿は、明治2年(1869)の廃藩置県によって、建物は順次、取り壊されましたが、明治6年(1873)に山口小学校が開校した際に、遠侍1棟が校舎として使われました。現在、山口御殿に由来するとみられる石橋や鬼瓦が山口小学校に残されています。

〔写真〕土塀の基礎(2条の石列部分)、鬼瓦、石橋

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