紀ノ川の南岸、朝日の浄土寺境内の西側墓地周辺に埋納された蔵骨器です。蔵骨器には外容器が伴っており、直径0.8m、深さ0.4mの墓坑に倒置した状態で設置し、そのあと墓坑内を木炭で充墳している状況が確認されています。 蔵骨器の時期は土器の特徴から8世紀末から9世紀初頭のものとみられます。蔵骨器は須恵器長頸壺の口縁部から頸部を打ち砕いたものを使用しており、和歌山県内でも類例をみないものであり注目されます。
〔写真〕蔵骨器