江戸時代の暮らし
旧中筋家住宅では、江戸時代の農村の暮らしを感じることができるように、四季の農作業にあわせて昔の農具の展示も行っています。農業機械が普及する以前は、農作業は全て人の手と家畜の力で行っていました。そのうちの主な農作業と農具を紹介します。
■ 荒起こし
固くなった田んぼの土を、鍬(くわ)・鋤(すき)・唐鋤(からすき)などの道具を使ってたがやし、土をやわらかくして田植えをしやすくします。
■ 苗代づくり
一部の田んぼを苗代(なわしろ)にして、水をはり、種籾(たねもみ)を蒔き、苗作りをします。
■ 代かき
田んぼに水を入れて、苗を植えやすいように代かきをして、土をならします。
■ 田植え
苗代(なわしろ)から苗籠(なえかご)に苗を入れて運び、田んぼに植えます。
■ 除草
夏の間、田んぼに生えた雑草を取ったり、虫送りをしてイネが育ちやすいように手入れをします。
■ 稲刈
成長した稲を刈り取り、束ねます。稲束をはざがけにして干し、天日で乾かします。
■ 脱穀
千歯こきで稲束からモミをこき落とします。
■ 籾すり
土臼で籾殻(もみがら)をすりとり玄米にします。
■ 選別
唐箕(とうみ)で玄米と籾殻(もみがら)を分け、万石(まんごく)とおしで割れ米・ワラなどを取り除きます。
■ 俵詰め
選りすぐった玄米を枡で量って俵に詰めます。
■ 藁仕事
稲刈り後の残った藁(わら)は、縄・俵などの農具、筵(むしろ)・畳などの敷物、草鞋(わらじ)・笠・蓑(みの)などの衣類のほかに、家畜の飼料や燃料など、さまざまな用途に利用します。農作業ができない冬の間に、藁仕事を行います。