和歌山市の文化財・遺跡

総光寺由来并太田城水責図 附総光寺中古縁起

詳細情報

総光寺由来并太田城水責図
  • 総光寺由来并太田城水責図 下段(詳細)
  • 総光寺中古縁起(水攻め図)
  • 総光寺中古縁起(護摩を焚く図)
読み仮名 そうこうじゆらいならびにおおだじょうみずぜめず つけたりそうこうじちゅうこえんぎ
指定 市指定文化財 美術工芸品
指定日 平成24年(2012)4月5日  附指定 平成27年(2015)5月14日
時代 江戸時代
地区 宮北・宮・宮前地区
所在地/所有者等 太田/惣光寺

〔種別〕絵画

 惣光寺は市内太田の南西部にある真言宗の寺院です。総光寺由来并太田城水責図(169.5cm×135.0cm)は惣光寺(総光寺)の縁起と、羽柴(豊臣)秀吉の太田城水攻め(天正13年(1585))による太田村の苦難を、太田村の村民や惣光寺の檀家に絵解きして伝えるために江戸時代に作成されたと考えられます。本図は9図から構成されており、空海による総光寺開基の説話と天正の初めの宮郷と雑賀の領地争いによる兵火で音浦(現在の花山)から現在の地(太田)に移った由来を上段に、太田城水攻めの様子を下段に描いています。原本となる絵巻があったと考えられる上段部分が右から左に場面が展開するのに対して、下段は右回りに場面が展開しています。
 また、中古縁起(36.2×661.0cm)は、水責図とともに惣光寺に所蔵され、空海による開基の説話と天正の領地争いによる兵火で現在の地に移った由来、総光寺の永意ほか数名の僧が護摩を焚く図、小牧の陣屋で永意が家康から小袖を賜る図と小牧・長久手の戦いに関する図、太田城水攻めの様子などが描かれています。水責図とともに、当地域の中世の様子を伝える資料として重要です。

〔写真〕水責図、水責図(詳細)、中古縁起(水攻め図)、中古縁起(護摩を焚く図)

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