養翠園
詳細情報
読み仮名 | ようすいえん |
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指定 | 国指定文化財 史跡・名勝 |
指定日 | 平成元年(1989)12月8日 追加指定 平成25年(2013)3月27日 |
時代 | 江戸時代 |
地区 | 雑賀・和歌浦・名草地区 |
所在地/所有者等 | 西浜/養翠園 |
〔種別〕名勝
養翠園は紀州藩十代藩主徳川治宝の別邸である水軒御用地の庭園として文政元年(1818)から9年(1826)にかけて造営した回遊式庭園です。現存する海浜の立地及び風致を活かした「汐入」の様式をもつ庭園は徳川将軍家の別邸浜御殿を前身とする浜離宮恩賜公園と養翠園だけであり、非常に貴重なものです。
庭園は養翠亭を中心に構成されており、L字型の敷地の東側には天神山や章魚頭姿山を借景とした広大な池泉が設けられ、敷地の南辺と西辺は松ヶ枝堤により隣接する大浦湾と園内が区切られています。
庭園の景色は池泉の東側と西側で大きく異なり、東側は北岸から池泉の中央に配された中島に向けて直角に曲がる土堤が伸び、三つ橋と太鼓橋が架けられた中国杭州の西湖の蘇堤をモチーフとした中国風のものになっています。それに対し、養翠亭よりの西側は曲線的な護岸壁をもち、章魚頭姿山を借景に持つ周囲の自然を取り込んだ日本的な回遊式庭園となっています。なお、三つ橋と太鼓橋は明治中期に掛け替えられたコンクリート製のものですが、保存されているコンクリート構造物としては初期のものであり、非常に貴重なものです。
池泉の西側に建つ書院養翠亭は、池泉を臨む御座の間、あやめ池の正面にある次の間、露地を伴う茶室の実際庵等が付属しています。
〔写真〕養翠亭、天神山を望む、三つ橋